2025年4月開始の「実質10割」育児休業給付とは?
2025年4月から始まる「育児休業給付」と「出生後休業支援給付」について見てみましょう。
育児休業給付は、雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得した際に支給される給付金です。2024年10月現在、休業開始から180日までは賃金の「67%」、180日以降は「50%」が支給されています。
新制度では、本人と配偶者の双方が「14日以上の育児休業」を取得すると、最大28日間、「出生後休業支援給付金」が追加で支給されます(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内に育児休業を取得する必要があります)。これにより、夫婦で育児休業を取得した場合、最大28日間の給付が上乗せされることになります。
出生後休業支援給付金の支給額は、賃金の「13%」相当です。これを従来の育児休業給付の「67%」と合わせると、給付率は「80%」となります。
これらの給付金は非課税であり、育児休業中は社会保険料も原則免除されます。通常、賃金の約2割が税金や社会保険料として控除されるため、手取り額とほぼ同等の給付を受け取れることになり、「実質10割」と言われています。
なお、配偶者が専業主婦(主夫)である場合や、ひとり親家庭の場合は、配偶者の育児休業取得がなくても「出生後休業支援給付金」が支給されます。
男性の育児休業取得率が低いことが少子化の一因とも指摘されています。夫婦ともに育児休業を取得しやすい環境を整えることが、この制度の目的と言えるでしょう。
申請方法: 育児休業給付の申請は、原則、勤務先を通じて行います。なお、育児休業を取得する際は、会社の人事部や総務部等の所定の窓口に連絡し、会社所定の必要な書類に記入をして提出することになります。
新設される「育児時短就業給付」とは?
次に、育児時短就業給付についてご紹介します。
この給付金は、雇用保険に加入している労働者が2歳未満の子どもを育てるために時短勤務を選択し、その結果賃金が減少した場合に支給されます。
給付額: 時短勤務中に支払われた賃金の「10%」相当が支給される予定です。
具体例:
労働時間は75%に減少しますが、収入は約82%となり、収入減が緩和されます。
メリット:
申請方法: 詳細はまだ公表されていませんが、育児休業給付と同様に、勤務先を通じて申請する形になると予想されます。
まとめ
2025年以降、子育て支援に関する給付金が拡充され、育児休業や時短勤務を取得しやすい環境が整備されます。これらの制度をうまく活用し、子育てと仕事の両立を図りましょう。