トップ
事務所案内
お問合せ
労務コンテンツ一覧
サービス案内
人事労務ニュース
リーフレット
リンク先
お知らせ
作成日:2024/08/22
労働基準監督署等が自動車運転者を使用する事業場に対して行った令和5年の監督指導、送検等の状況

労働基準監督署の監督指導結果について

概要

全国の労働基準監督署が、令和5年に自動車運転者を使用する3,711事業場を監督指導した結果、82.2%にあたる3,049事業場で労働基準関係法令違反が認められました。また、1,999事業場(53.9%)では、改善基準告示違反が認められました。

 

労働基準関係法令違反事項

主な違反内容は以下の通りです。

  1. 労働時間46.9%)
  2. 割増賃金の支払21.2%)
  3. 労働時間の状況の把握8.0%)

 

改善基準告示違反事項

主な改善基準告示違反は以下の通りです。

  1. 最大拘束時間39.2%)
  2. 総拘束時間30.7%)
  3. 休息期間28.1%)

 

労働基準関係法令違反事項に対する改善方法の例

以下のような改善方法が例として考えられます。

1. 労働時間(46.9%)

  1. シフトの見直し: 各運転者の労働時間が過剰にならないよう、シフトを定期的に見直し、長時間労働を防止します。
  2. 労働時間管理システムの導入: 労働時間をリアルタイムで管理できるシステムを導入し、法定労働時間を超えた場合にアラートを設定します。

2. 割増賃金の支払(21.2%)

  1. 給与計算システムの精度向上: 自動的に割増賃金が正確に計算されるよう、給与計算システムをアップグレードし、手動での計算ミスを防ぎます。
  2. 定期的な監査: 割増賃金の支払が適切に行われているか、定期的に社内監査を実施し、不足があれば速やかに是正します。

3. 労働時間の状況の把握(8.0%)

  1. GPSと連携した労働時間管理: GPSを活用して運転者の移動状況をリアルタイムで追跡し、労働時間の記録を正確に把握します。
  2. 労働者への教育: 労働時間の自己管理と報告の重要性について、運転者に定期的な教育を実施し、正確な時間管理を促進します。

 

改善基準告示違反事項に対する改善方法の例

以下のような改善方法が例として考えられます。

1. 最大拘束時間(39.2%)

  1. 拘束時間の事前調整: 運行管理者が、業務が開始する前に拘束時間を計算し、法定上限を超えないようにスケジュールを管理します。
  2. 仮眠時間の確保: 長時間の拘束が避けられない場合は、途中に仮眠時間を設けるなどして、運転者の負担を軽減します。

2. 総拘束時間(30.7%)

  1. 業務分散: 長距離運転の場合、1つの運転者に業務が集中しないよう、運行ルートやシフトを複数の運転者で分担します。
  2. 週次の拘束時間制限: 1週間の総拘束時間が過度に長くならないよう、週単位での拘束時間を厳格に管理し、過剰労働を防ぎます。

3. 休息期間(28.1%)

 

  1. 休息スケジュールの厳守: 勤務終了後の休息期間を必ず8時間以上確保するスケジュールを設定し、徹底的に管理します。
  2. 代替運転者の配置: 休息期間を守るため、代替の運転者を確保し、急な業務にも対応できるようにして、運転者の負担を軽減します。